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KDP無料キャンペーン情報 松野栄司さん『咎人戦騎6: 第六話【食堂】』 《2016年08月17日より》

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KDPセール&無料キャンペーン

やっほー☆ 松野栄司さん(@todomaru21)から無料キャンペーンのお知らせが届いてるわよ。

【内容紹介】

古来より人の心の闇に付け込み、人を喰らう魔物が存在した。
魔物の名は魔徒。そして、魔徒を狩る騎士も又、存在した。
生きた鎧、戦騎を駆り、人々を護る騎士。
主人公・羅刹は生前に罪を犯し、咎人で在りながら騎士として魔徒を討つ定めを課せられていた。
だが、羅刹は魔徒を斬る事だけに捉われていて、人を護ろうとはしなかった。
まるで、抜き身の刀で在る。
在る時、一人の少女に出逢い、羅刹に僅かな変化が顕れる。

咎人戦騎6: 第六話【食堂】

咎人戦騎6: 第六話【食堂】

価格99 円 → 0 円
期間2016年08月17日〜2016年08月21日

ここに書かれた期間はあくまでも目安だと思って。ストアの都合で予定よりも前後することがあるから注意してね。

それじゃこの本がどんな内容なのか見てみましょうか。

古来より人の心の闇に付け込み、人を喰らう魔物が存在した。
魔物の名は魔徒。そして、魔徒を狩る騎士も又、存在した。
生きた鎧、戦騎を駆り、人々を護る騎士。
主人公・羅刹は生前に罪を犯し、咎人で在りながら騎士として魔徒を討つ定めを課せられていた。
だが、羅刹は魔徒を斬る事だけに捉われていて、人を護ろうとはしなかった。
まるで、抜き身の刀で在る。
在る時、一人の少女に出逢い、羅刹に僅かな変化が顕れる。

第六話【食堂】

金の無い二人の若者。
未来に希望も持たずに其の日暮らし。
心の渇きを只々、抱えている。

以下、本文抜粋。

 無心で短剣を振るう。
 羅刹が寝床として使ってる廃墟と成ったホテルを、無数の人形が徘徊している。人形の手には其々、武器が握られている。槍、刀、弓、薙刀、大剣、湾刀、杖、拳銃、短刀、戦斧。実に様々な武器を手にした彼等は、多種多様な武術や刀剣術を使用していた。
 剣術、棒術は勿論。サバットやクラビー・クラボーン、フェンシング、太極拳八極拳と言った中国武術、空手やベアナックルを用いたボクシングまで、縦横無尽に羅刹を襲った。
 全てを躱し、払い退けて、斬り捨てていく。だが、其の動きには何処か、憂いが見られた。
「羅刹、どうしたの。今の貴方の剣には、迷いが見えるわよ?」
 人形達の群れの中心に、若い女がいた。とても、美しい女で在った。
 其の女の手にも又、刀が握られている。
「此の間の事を、気にしてるのかしら?」
 女は微笑を浮かべながら、羅刹に問い掛ける。
 ――人殺し。
 此の間の女の言葉が、頭にこびり付いていた。胸を痛みが満たしている。互いに愛し合っていた男女。男は魔徒に憑かれていた。斬らなければ、何れは多くの哀しみを招いていた。
 其れなのに、羅刹は後悔していた。果たして、本当に自分が正しかったのかが、解らなかった。
 無言で剣を只、振るい続ける羅刹。まるで、己の迷いを断ち斬ろうとしている。其の剣では人形は斬れても、心の闇までは斬れない。
「貴方の心には、大きな闇が在るわ」
 女――タリムは、静かに語り掛ける。こうして戦騎の姿ではなくて、人の姿で羅刹に語り掛けるのは数年振りで在った。
 人形達も皆、タリムの力で生み出した幻覚で在る。此れまで羅刹が闘った者だけでなく、タリムが幾千年もの間に共にした騎士や敵達の動きを再現していた。
 人形の姿は、タリムのイメージで決定付けられるが、時として羅刹の心にも呼応する。
「貴方の中の大きな闇は、何処に在るのかしら?」
 人形達を全て蹴散らした時には、羅刹は汗だくに成っていた。
 僅かな隙を衝いて、タリムが間合いを詰める。
 タリムの刀の一撃を、羅刹は辛うじて短剣で受け止める。
「良く眼を凝らし、己の心と対話しなさい。貴方の憎しみは、誰に向けられた物なの?」
 タリムの言葉に呼応する様に、羅刹を取り巻く空間が変化していく。
 燃える家屋。逃げ惑う人々。上がる悲鳴や懇願の声。其れは羅刹が生前、最期に見た光景だった。
 江戸時代の小さな在る村を、盗賊達が襲っていた。
 目前で剣を交える相手を見て、羅刹は我を忘れていた。心の中を憎悪や憤怒の感情が、暴れ狂う蛇の様に蠢いていた。
 己の顔に傷を付けた其の相手は、羅刹と同じ歳だった。札付きと成った羅刹と共に生き、共に剣を磨いた。そして、互いに剣を交えていた。
 彼(か)の者の名は――
「出狗(いずく)……何故、裏切った!」
 過去にも同じ言葉を、投げ掛けていた。
 仲間だと想っていた。唯一無二の友だと信じていた。其れなのに何故、袂を分かち、剣を交えるのか。憤怒の炎が滾り心と体を、内奮わした。憎悪の細霧が、心を色濃く深い闇へと彩る。出狗の短刀を払い刀の鞘で、出狗が繰る弐の太刀を受け流した。短刀二刀流が、出狗の剣で在った。縦横無尽に上下左右から、繰り出される連撃は正に獣の剣。羅刹は出狗の剣を、知り尽くしていた。出狗も又、羅刹の剣を知り尽くしていた。
 共に生き、共に闘った二人だからこそ、常に息がぴたりと揃っていた。正に阿吽の仲で在った。実力も互いに、拮抗していた。
 故にこそ、互いに死合えば相討つ定めも、必定で在ったのかも知れない。
 互いの刀が、互いの急所を捉える瞬間で在る。
「羅刹っ……!」
 刹那の叫び声と共に、出狗の姿は消え去った。景色も元居た廃墟と成っていた。タリムの姿も無い。
 羅刹だけが、抜き身の刀を握り締めていた。憎悪を携え、憤怒を懐いた其の刀は羅刹、其の物で在った。
「貴方には、光が必要よ。心を祝福で満たす、暖かい光が……。彼女には、其の光が在る。だから、此処に招かせて貰ったわ」
 タリムの存在も又、羅刹を導く者で在った。
 けれども、人の温もりまでは与えられない。
「余計な事を……」
 刀を鞘に納めながら、羅刹は呟いた。其の瞬間、刀は短剣に戻っていた。
「迷惑……だったかな?」
 遠慮がちに、羅刹を見上げる刹那。
 気まずい雰囲気を纏わせていたが、羅刹は良い意味でも悪い意味でも空気が読めない。
「迷惑じゃない。腹が減った。何処か、別の場所へ行こう」
 黒のコートを手に取り、静かに歩き出す羅刹。
 無言で後を追う刹那。

さあ、気になる人は見逃さずチェックしてね! この本が素敵な読者さんに恵まれますように。


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